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最終更新日:2023/11/12(日) 21:01:05

その他―研究関係

国家間賠償史」と「対外認識論」以外の研究テーマと、関連する業績をまとめてみました。

目次

  1. 書誌の作成
  2. 史料のデジタル化
  3. 外交史学史
  4. 日露戦争史料調査
  5. 辞典項目の執筆
  6. その他

「詳細データあり」マークのついた業績に関しては、詳しい情報が別に用意されてゐます(タイトルをクリックしてください)。

書誌の作成

このテーマは「対外認識論」の研究から派生したものです。

ある人物(の対外観)を詳しく分析しようとするとき、私は、その人の年譜や著作目録を作成するところから始めます。しかし、米田実のやうに、厖大な数の著作を残した人物については、書誌作成といふ作業自体が、ひとつの独立した仕事にもなります。その成果のひとつが、2008年12月に発表した「米田実年譜・著作目録」です。

また、明治後期から昭和戦前期の日本人の対外認識を分析しようとしたとき、当時の外交論壇を代表する、『外交時報』といふ雑誌を避けて通るわけにはいきません。しかし、同誌の執筆者索引はこれまで作られたことがなく、総目次についても、過去に一度、抄録が作成されただけでした※1。そこで私は、2002年の春から、無署名記事をも含めた同誌の総目録、および執筆者索引の作成に取組み、2008年4月に日本図書センターより公刊いたしました※2

※1 英修道編『日本外交史関係文献目録』慶応義塾大学法学研究会、1961年、135―216頁。

※2 戦後編(1952―98年分)についても、浜岡鷹行氏と協力のうへ、2014年から15年にかけて『松山大学論集』に連載しております。

さらに2018年から、同じく20世紀前半の日本を代表する外交雑誌である『国際聯盟』(のち『国際知識』→『国際知識及評論』→『外交評論』と改題)についても、目録の作成に着手し、2023年11月、ゆまに書房の「書誌書目シリーズ」の一巻として上梓しました。

これからも私は、人物研究の過程で年譜や著作目録などを作ることが多いと思ひますが、それらについては可能なかぎり、紙媒体で公表するか、こちらのサイトで公開してゆくつもりです。ただし上記の『外交時報総目次・執筆者索引:戦前編』や『戦前期外交専門雑誌記事目録集成』のやうに有償で販売されるものを、無償で公開するわけにはいきません。また、著作権複製権出版権)の関係で、オンラインでは公開できないものもあるかもしれません。それらについては、紙媒体の方をご利用ください。

編著書

  1. 外交時報総目次・執筆者索引:戦前編』日本図書センター、2008年(ISBN9784284201063)。「詳細データあり」マーク
  2. 戦前期外交専門雑誌記事目録集成:『国際聯盟』『国際知識』『国際評論』『国際知識及評論』『外交評論』』全2巻、ゆまに書房、2023年(ISBN9784843365267)。「詳細データあり」マーク

資料

  1. 米田実年譜・著作目録」『松山大学論集』第20巻5号、2008年12月、33―99頁(67頁)。「詳細データあり」マーク
  2. 『外交時報』総目次―戦後編(1):1952年11月第950号~1961年12月第993号」(浜岡鷹行氏との共編)『松山大学論集』(松山大学)第26巻2号、2014年6月、1―60頁(60頁)。「詳細データあり」マーク
  3. 『外交時報』総目次―戦後編(2):1962年1月第994号~1967年12月第1047号」(浜岡鷹行氏との共編)『松山大学論集』(松山大学)第26巻3号、2014年8月、1―56頁(56頁)。「詳細データあり」マーク
  4. 『外交時報』総目次―戦後編(3):1968年1月第1048号~1976年12月第1140号」(浜岡鷹行氏との共編)『松山大学論集』(松山大学)第26巻4号、2014年10月、77―134頁(58頁)。「詳細データあり」マーク
  5. 『外交時報』総目次―戦後編(4):1977年1月第1141号~1989年12月第1263号」(浜岡鷹行氏との共編)『松山大学論集』(松山大学)第26巻5号、2014年12月、25―83頁(59頁)。「詳細データあり」マーク
  6. 『外交時報』総目次―戦後編(5・完):1990年1月第1264号~1998年9月第1351号」(浜岡鷹行氏との共編)『松山大学論集』(松山大学)第26巻6号、2015年2月、1―55頁(55頁)。「詳細データあり」マーク
  7. 雑誌『国際聯盟』総目次(1920―22年)」『松山大学論集』(松山大学)第30巻5の2号、2018年12月、1―55頁(55頁)。「詳細データあり」マーク
  8. 雑誌『国際知識』総目次(1)」『松山大学論集』(松山大学)第30巻6号、2019年2月、1―80頁(80頁)。「詳細データあり」マーク
  9. 雑誌『国際知識』総目次(2)」『松山大学論集』(松山大学)第31巻1号、2019年4月、1―73頁(73頁)。「詳細データあり」マーク
  10. 雑誌『国際知識』総目次(3)」『松山大学論集』(松山大学)第31巻2号、2019年6月、1―60頁(60頁)。「詳細データあり」マーク
  11. 雑誌『国際知識』総目次(4)」『松山大学論集』(松山大学)第31巻3号、2019年8月、1―44頁(44頁)。「詳細データあり」マーク
  12. 雑誌『国際知識』総目次(5)」『松山大学論集』(松山大学)第31巻5号、2019年12月、1―50頁(50頁)。「詳細データあり」マーク
  13. 雑誌『国際知識』総目次(6)」『松山大学論集』(松山大学)第31巻6号、2020年2月、1―56頁(56頁)。「詳細データあり」マーク
  14. 雑誌『国際知識』総目次(7)」『松山大学論集』(松山大学)第32巻1号、2020年4月、1―68頁(68頁)。「詳細データあり」マーク
  15. 雑誌『国際知識及評論』総目次(1)」『松山大学論集』(松山大学)第32巻2号、2020年6月、1―82頁(82頁)。「詳細データあり」マーク
  16. 雑誌『国際知識及評論』総目次(2)」『松山大学論集』(松山大学)第32巻3号、2020年8月、1―63頁(63頁)。「詳細データあり」マーク
  17. 雑誌『外交評論』総目次(1)」『松山大学論集』(松山大学)第32巻4号、2020年10月、1―60頁(60頁)。「詳細データあり」マーク
  18. 雑誌『外交評論』総目次(2)」『松山大学論集』(松山大学)第32巻5号、2020年12月、1―37頁(37頁)。「詳細データあり」マーク
  19. 雑誌『国際評論』総目次(1)」『松山大学論集』(松山大学)第32巻6号、2021年2月、1―68頁(68頁)。「詳細データあり」マーク
  20. 雑誌『国際評論』総目次(2)」『松山大学論集』(松山大学)第33巻1号、2021年4月、1―94頁(94頁)。「詳細データあり」マーク
  21. 雑誌『国際評論』総目次(3)」『松山大学論集』(松山大学)第33巻2号、2021年6月、1―94頁(94頁)。「詳細データあり」マーク

データベース

データベースのページ(年譜・著作目録/『外交時報』関連)をご覧ください。

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史料のデジタル化技法

このテーマも、「対外認識論」の研究から派生したものです。

近代政治外交史の研究において不可欠なのが、当事者または関係者からの聴取り調査です。私も、米田実を研究する過程で、ご遺族から聴取りをしましたし、また当時の写真などの画像資料を、数多く調査いたしました。

ところが、政府の公文書などとは異り、このやうな私的に蒐集した音声データや画像データを、学界として、どのやうに(長期的に)保管・継承するのかについて、統一された手法は、いまだ確立されてゐないやうです。また、近年の技術発展の趨勢を慮るに、そのやうなデータの保管と継承は、デジタル化を通じて進められる傾向にあるやうです(それにも一長一短があり、また当然、限界もありますが)。

そこで私は、文字や音声、画像など、さまざまな形態の史料を、どのやうにデジタル化するべきか、またデジタル化に伴ふ問題点には、どのやうなものが考へられるかについて、自分なりに研究を進めてきました。本来、それらはアーキビスト(archivist)と呼ばれる人たちの専門領域であり、私のやうな門外漢が口を出すべきことではないのかもしれませんが、米田家の取材や、写真史料のデジタル化作業を通じて気づいたこと、また上記の書誌作成のさいに留意した点など、他の研究者にとつても、役に立つことがあるかもしれません。下記の論文のうち、個別的な技法については、時代遅れの部分も多々見うけられますが、なにかの参考になれば幸です。

なほ、このテーマについては、とくに体系だてて研究を進めてゐるわけでもありませんので、これから具体的に、論文にまとめる予定はありません。ただ、他のテーマの研究を進めるなかで、なにか新しく気づいたことがあれば、文章にまとめることがあるかもしれません。

研究論文

  1. 個人レベルにおける史料のデジタル化に関する一試論(上):音声史料のデジタル化技法」『皇學館論叢』(皇學館大學人文學會)第35巻1号、2002年2月、1―20頁(20頁)。「詳細データあり」マーク
  2. 個人レベルにおける史料のデジタル化に関する一試論(下):写真史料のデジタル化技法」『皇學館論叢』(皇學館大學人文學會)第35巻2号、2002年4月、1―22頁(22頁)。「詳細データあり」マーク
  3. 近代活字史料のデジタル化と文字コード処理」『松山法学』(松山大学)第7号、2005年3月、1―35頁(35頁)。「詳細データあり」マーク

口頭発表

  1. 「戦間期の東アジア国際政治」研究会 第5回研究会(2001年4月14日 拓殖大学)報告
    題目「個人レベルにおける資史料のデジタル化作業について:米田家史料を題材に」「詳細データあり」マーク

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外交史学史

著書『近代日本の外交論壇と外交史学:戦前期の『外交時報』と外交史教育』を刊行するさい、書き下したものです。おもに19世紀末から昭和戦中期の日本における外交史学(外交史教育)の実態を探究してゐます。

今後は、上記の書き下しでは言及できなかつた、1910年代半ばから40年代半ばに刊行された「外交史に関する各種書籍」の内容について、分析を加へてみたいと考へてゐます。

研究論文(単行本に収録されたもの)

  1. 日本における外交史学の起源「詳細データあり」マーク
    伊藤信哉『近代日本の外交論壇と外交史学:戦前期の『外交時報』と外交史教育』日本経済評論社、2011年、175―278頁(104頁)。

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日露戦争史料調査(受託研究)

私は「坂の上の雲ミュージアム」の展示に関る資料調査を、松山市から委託されてゐます(2004年4月-2007年2月/現在は休止中)。そのため松山大学内に「日露戦争史料調査会」を置き、学外の研究者や専門家とともに、関係資料の調査を進めてきました。

これまでの成果としては、外務省外交史料館が所蔵する日露戦争関係文書の調査や、『東京朝日新聞』など、当時の主要紙の社説ならびに松山関係記事の分析調査、あるいは、当時の松山市や松山捕虜収容所に関する各種史料の調査などがあります。

委託契約の規定により、いまのところ、これらのデータを公にすることはできませんが、何らかの機会に公表できればと考へてゐます。

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辞典項目の執筆

これらは、編者の依頼を受けて執筆したもので、私の研究テーマに直接結びつかないものも含まれます。また辞典としての性格上、特殊な知見を示したり、独自の主張を展開してゐるわけでもありません。

  1. 執筆項目:米田実(1878―1948)
    伊藤隆・季武嘉也編『近現代日本人物史料情報辞典』吉川弘文館、2004年。
  2. 執筆項目:半沢玉城(1887―1953)米田実(追加情報)
    伊藤隆・季武嘉也編『近現代日本人物史料情報辞典 4』吉川弘文館、2011年。
  3. 執筆項目:板倉卓造・ウェストレーキ・大津事件・小山六之助
    宮地正人・佐藤能丸・櫻井良樹編『明治時代史大辞典』第1巻、吉川弘文館、2011年。
  4. 執筆項目:幣原坦・信夫淳平・吹田事件・スミス・津田三蔵・デニソン・寺尾亨・戸水寛人・七重村租借事件
    宮地正人・佐藤能丸・櫻井良樹編『明治時代史大辞典』第2巻、吉川弘文館、2012年。
  5. 執筆項目:畠山勇子
    宮地正人・佐藤能丸・櫻井良樹編『明治時代史大辞典』第3巻、吉川弘文館、2013年。

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その他

国立国会図書館で業務の一環として執筆したものや、松山大学において調査報告書として執筆したものです。

  1. 「文献紹介『タイムズ・アトラス第二次世界大戦歴史地図』『ヒトラーを読む3000冊』」『レファレンス』(国立国会図書館)第534号、1995年7月、151―152頁(2頁)。
  2. 第二次世界大戦における交戦関係の開始日時について(資料)」『レファレンス』(国立国会図書館)第538号、1995年11月、69―87頁(19頁)。「詳細データあり」マーク
  3. 講義支援システムの構築と導入」(倉澤生雄 法学部准教授および渡辺幹典 法学部准教授との共著)『松山大学論集』(松山大学)第20巻1号、2008年4月、153―168頁(16頁)。「詳細データあり」マーク
  4. 講義支援システムの拡張と運用」『松山大学論集』(松山大学)第20巻4号、2008年10月、179―199頁(21頁)。「詳細データあり」マーク

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